鏡像(9)「Oさんの記憶」/リリー
 
には複雑な想いが込められている

 「ああ、そうかいな!やかましわっ、あほんだらが!
  あんたみたいな、お馬鹿は死んでおしまいっ。」
 Oさんの性格だけではない軽度の認知症あっての言動に
 副主任が、少し口を慎むようにと諭しても
 「はいはい、そうですかいな。」
 まったく効き目が無い

 「ああ?なんか用ですかいな?何しに来たん?
  あんたの顔なんか見たくもないですっ!
  トットと失せろ!」
 旧館一階の寮母達は皆んなOさんから
 廊下にまで聞こえる罵倒を浴びせかけられ、さんざん悪態つかれる
 私も彼女の顔色をうかがい、ご機嫌を取りながら
 いつも時間をかけオ
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