鏡像(9)「Oさんの記憶」/リリー
 
けオムツ交換をさせて頂いていたのだった

 朝礼で感情の起伏激しいOさんの暴言や
 目に余る態度が報告されると
 嘱託医から精神薬が投与される
 対症療法的薬物投与である

 Oさんは寮母室へ立ち寄る事しばしば
 寮母がそばに居て たわいない話を聞いてもらえると
 可愛らしい表情でニッコリ笑ってくださるのだが
 なかなかいつもというわけにいかず
 
 胃薬だ、消化剤だなどと言われ飲まされる薬の副作用で
 やがては足腰まで弱っていってしまわれる
 Oさん自身の人格的問題だけでなく、
 これが彼女の寿命を縮めてしまう事になったのだ
 
 
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