逝くまで書いて/ただのみきや
を爪繰る 祈りの嘔吐
ロザリオらざにあオブラディおぶらだ
ぼくらは互いを素材として相手に任せ
彫刻し合うことで逃れようとした
鑿が削るごとに一つの時間が火花を散らし
闇へ帰っていった
逃れるために
自分の知らない自分になるために
ついには圧縮された頑迷な妄想を振り上げ
現と実を粉砕し
死と眠りの間の潮路を辿り
針の穴より小さなねじれを超え
夢の浅瀬に座礁した
朝と夕がとけあって光が雲をそめあげる
あのうつくしい矛盾むらさきのむこう
つばさもなく投身しつめたく燃えつきるために
***
獣は踊る
こころとからだの間にある器官をふるわせて
青みを
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