三文芝居の夜/ホロウ・シカエルボク
象的な言葉が並んだものを書いてしまうときだってある、つまりさ、欲望だけがあって…それがどんな形で完結するかなんてことはどうだっていいんだ、短い点滅信号を渡ろうとしてスクーターに撥ねられそうになる、スクーターの若い男は舌打ちをする、俺は軽く首を傾げる、そんなことはこれまでに何度かあったけれど、それ以上のことは起こりはしなかった、臆病なこの街の連中はいつだって、とても強い振りをするだけさ―建物が少なくなった、遅くまで空いてる店はコンビニだけになった、街はどんどん味気無くなって行く、幸せそうなのは酔っ払いばかりさ、しかもその中の何人かは嘘をついているんだ、広い交差点のど真ん中で爆弾を爆発させる映画を観た
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)