再生 ―空洞という名の根のしらべ―/菊西 夕座
これから星めぐりのしらべはもっとよくなることだろう、
それよりもすばらしいのはわたしのなきがらが蟻にはこばれること
そこでながされる血は路ぼうのおくちをたびするだろう、
はじめてきくクジラのようなモグラの美声と鎮魂歌
蟻たちは脚にみえるけんばんでそうそう曲をかなでながら
あれ地の音かいをここちよくたがやしていく
わたしのにくへんはミからシへ、シからファへ、
ファから墓へとはこばれるだろう
そこからちかへおりていくときの胸のたかなりは
かつてのこどうを千倍速でもみほぐす
そのときの快かんがこまぎれのしんけいをかけぬけ
くし
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