久保俊治著 「羆撃ち」を読んで/山人
 
オスは気が荒いが、獲物を追いこんだりする際に諦めてしまう単体も多いのだと言われる。また、雌は小ぶりながら小回りが利くという点から、雌犬を選んだようだ。この雌犬のフチは従順で頭も良く、タヌキから始まり、エゾジカ猟でも素晴らしい働きを見せた。猟犬フチとの間合い、意思の疎通、それらが見事に描かれているのである。そして、徐々に成長していく中で、羆猟でも勇敢に羆を筆者の方向へ的確に追い込み、何頭か捕獲したと書かれている。
 しかし、その後筆者は自分の力量を試したく、外国でハンターガイドスクールに入校し、プロハンターとなるのである。単独猟を行っていた筆者も、馬の乗り方には相当苦労したようであるが、その他に関
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