青い墓標/TAT
えるんだ。だが、なにも言うまい。どっちみちおれのほうは少し待とう。あさっての午後口笛を吹くから、そのときはかたをつけろ。おれの口笛を知ってるな?」彼は口笛を吹いてみせた。私はそれをなんども聞いたことがあった。「うん知ってるよ」と、私は言った。私なんか物の数でもないように、彼は立ち去った。ふたりのあいだには一つの取引きが行なわれたのであって、それ以上のなにものでもなかった』
バードランド・シンディ
『私たちのラテン語学校に、少し前ひとりの新しい生徒がはいって来た。彼は、私たちの町にひっこして来た裕福な寡婦の息子で、そでに黒い薄ぎぬの喪章をつけていた』
『この一風かわ
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