青い墓標/TAT
て来た。十三歳くらいの強い荒っぽい子で、小学校に行っている、仕立屋の息子だった。彼の父親は酒飲みで、家族全体が悪い評判を受けていた』
『彼はもうおとなの挙動をし、若い職工の歩きぶりや物の言いようをまねしていた』
コブラ
『ねえ、おまえは、おれが自分で二マーク銀貨を作ることのできるにせ金つくりだとでも思ってるのかい?おれは貧乏人なんだ。おまえのように金持ちのおやじを持っちゃいないんだ。二マークもうけられるもんなら、もうけなくちゃならないんだ』
『金をやってわが身を救うほかはないと、私は感じ、絶望的にからだじゅうのポケットに手をつっこんだ。リンゴ一つ、ナイフ一つ
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