赤い墓標/TAT
 
サキウマゴヤシの牧草地が広がって、水がゆたかにそれをうるおす。ブタ小屋もあれば−−」「ウサギもいる、ジョージ」「いまはまだ、ウサギを入れるところはねえ。だが、二つ三つのウサギ小屋はすぐおれが作ってやるから、おめえはムラサキウマゴヤシでウサギを飼える」「そうだとも、飼える」レニーは声を出した。「きっとそのとおりに、飼えるんだ」ジョージの手がトランプをめくるのをやめた。声がいっそう熱をおびる。「それにおれたち、ブタも二、三頭飼える。じいさんが持ってたみてえな燻製場を建てて、ブタを殺すとベーコンやハムを燻製で作ったり、ソーセージやなんかもみんな作れる。サケが川をさかのぼって来ると、何百匹もとって、塩づけ
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