永遠に消えてゆく/ホロウ・シカエルボク
ほど嫌っていた薔薇と共に
真っ黒い灰になりました
わたしはなにも決めない
わたしがさまざまなものごとを思い出すとき
薔薇の棘が食い込んだ脳はじくじくと傷む
いつもそう
記憶に埋もれるときには
激しい雨が降っている
まるで
いつかの火を消してしまおうと躍起になってでもいるかのように
わたしはなにも決めない
雨が降っているだけ
だけど、どうして
金切り声で啼くみたいに降らなければならないのだろう
あの雨の中に出て行けば
わたしは記憶を整理出来るだろうか
そしてあなたはあの椅子に戻って来るだろうか
もやもやと炎のようなかたちに窓が曇っている
もう外でなにが起こって
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