永遠に消えてゆく/ホロウ・シカエルボク
 
っているのかなんてついぞ気にしてはいなかったのに
哀しい思いが胸に爪を立てるのはどうしてなのだろう

わたしは止むことを待っているのか
それともそんなことはどうでもよくて
ただ朝がやってくるのを待っているだけなのか
天井のステンドグラスから誰かがこちらを覗いているように見える
でもそれは低過ぎる黒雲なのかもしれない
オルガンはもう沈黙している
だからもう
そこには誰もいないのだということがわかる
天使たち、ねえ、腐敗してしまうあなたたちは
やはり地獄へ行くのですか
それともなにか、死とは違う理の中で
これまでのすべてをやり直すのですか
人生は、もしかしたら
失われるすべてのために歌われる鎮魂歌なのだ
わたしは使い物にならなくなった箒を持ち上げ
一番近い窓を叩き割る
雨と風が吹き込んで、小さな破片がわたしの頬をかすめる
手のひらで拭うと
絶望的なまでに赤い血液が
「あなたも人間である」

囁いていたのだった


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