永遠に消えてゆく/ホロウ・シカエルボク
 
です

引き裂かれるような世界の中
吊り上げられる思い出には傾向があり
わたしは血の涙を流しながら
指が折れんばかりに両手を組み
昔覚えた聖書の言葉を呪詛のように繰り返す
誰に祈るのですか
聖堂の拒絶
パイプオルガンが低い声で唸る
あなたにもしも牙があるなら
わたしの喉笛を掻き切ればよろしいのに

願いなど在るはずもなく
また信仰など
余興程度にも持ち合わせてはいないのに
壁には人いきれが張り付いていく
古い油のように固着した場所からは
獣の肉のような臭いが微かにする
わたしはあなたを罰するでしょうか
あるいはあなたがわたしをそうするでしょうか
問いは山ほ
[次のページ]
戻る   Point(2)