終の犬 5。/たま
 
ないビーチは。また
一から出直せばいい。と。いう。この星からの。優しい
メッセージなのだ。と。Kは。思った。が。
この星のゴミは。すべて。人が排出したもの。なのだ。
ゴミがなかったら。人もいない。ことになる。夏からと
おく離れた。三月のビーチの。風は冷たい。Kは。波打
ち際に。立って。ふと。己の。余命を思う。八五まで生
きたとして。あと。一四年。か。長くはないけど。短い
とも思わない。七〇過ぎたら。余命は。オマケだ。一も。
二も。ない。オマケだけが。残された人生なのだ。
老いる。ことは。仕方ないけれど。塵みる。のは。嫌だ
と。Kは。思う。人は。いつか死んで。焼かれて骨にな

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