終の犬 5。/たま
る。ゴミになるのは。死んだ後でいい。のだ。
生きているのに。塵みになるのは。老いる。ではなく。
塵みる。なのだ。そんな余命はいらない。しかし。だ。
ビーチのゴミにも。四季があるなんて。この星は。ほん
とうに優しい。と。Kは。泪して。久しぶりに。詩人に
なるのだった。
七月。海開きだ。Kは。忙しくなる。午前五時起床だ。
まさかこの歳になって。五時起床だなんて。Kは。畑仕
事も。創作も。夏休みにして。ただ。ひたすら。老いを
忘れて。働くのだった。彼=ダンスケ。のために。だ。
ところで。海水浴場のゴミは。見た目よりも。わずかに
重い。それは。真夏のビーチの。生ぬるい。臭気を
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