終の犬 5。/たま
 
〔前回までのあらすじ〕
ペットショップで。一目惚れした。白い犬。彼=ダンスケ。
を。買い取った。年金詩人の。Kは。その後。彼の。養育
費を稼ぐために。海水浴場で働くことになった。


三月。海水浴場の仕事始めだった。午前六時に起床して。
Kは。彼=ダンスケ。と。散歩する。まだ。日の出前だ。
Kも。眠いが。彼も。眠い。仕事は。九時からだが。通
勤に一時間かかった。渋滞する街を。縦断しなければい
けない。のだ。午前中のトイレ掃除のあと。Kは。ビー
チのゴミ拾いをする。三月のビーチには。ゴミひとつ落
ちていない。嘘みたいにきれいだった。

四月。Kは。七一才になる。ゴミのない
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