黒曜の夢/レタス
暗い森に彷徨い
ぼくは大きな林檎を探していた
森の入り口にそそり立つ老木に林檎の在りかを尋ねると
「三丁目の角を右に曲がり百歩あるいたらcafeのランタンに聞けば良い… 名前を聞かれたら決して答えてはならぬ… ランタンの焔に焼かれてしまうのだ」
「三丁目とは何処ですか?」
老木は答えなかった
此処からは路が二又に別れ
どちらかを行こうか迷った
コインを投げて表だったら右へ
裏だったら左と決めた
投げたコインは表だった
暗い森は寝静まったように漆黒に塗り込められていて
一歩も歩けない
ショルダーバッグを探り懐中電灯を取り出し
歩きに歩いた
やがてポツ
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