密度流/ホロウ・シカエルボク
らゆるものをとらえられてしまうからだ、狂気と正気の間には境界線などない、静寂を恐れることなく、拒むことなく、力を抜いて漂っているとそのことがよく分かる、狂気とはなんだ?それはあるがままをあるがままに理解出来る瞬間のことだ、その、膨大で漠然としたデータを畏怖することなく受け止める瞬間、全身を駆け巡る微細な電流が狂気の正体だ、つまるところそれは―芸術の正体だといって差し支えないだろう、僕が芸術などという言葉を口にするのはおこがましいと君は思うだろうか?では芸術の定義とはなんだ?世間に認知されることか?―もしもそれが芸術の基準だというのなら、君はすべての表現から手を引いた方がいい、辞めちまえばいい、それ
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