残高/本田憲嵩
 
俺「向日葵がうな垂れるほどの猛暑の中、
  ヤッケを着ての作業、
  水、泥水、土のけむり、構内のホコリ、そして自らの汗、
  そしてときには鉄骨、
  そんな、
  荒々しい太陽にまみれた、
  ヘルメットの夏だった」、


Y「オー 健康上の都合により、
  飲料水はすべて砂糖不使用、
  となってしまった、
  なかなかに変革の年」、


俺「オー 年齢、というものを考慮しなかった」、


Y「アー しなかった」、


「なおかつ、
 コロナウィルスに感染して、
 入院歴のある父親を気づかい、
 約10日間のホテルでの軟禁生活を、
 余儀なく
[次のページ]
戻る   Point(8)