甘く無残な鼓動/ホロウ・シカエルボク
 
語り続ける、俺はそれを知らない、俺はそれを知らない、知ろうとも思わない、そんなことは重要じゃない、無意識に引き摺り出されたものだけが本質を語ることが出来る、そしてそのほとんどは気付かれることもなく過去に処理されていく、その過程がそこにあった、それこそが重要なんだ、たとえ後に記憶の中で奇形化しようと、その過程が細胞に刻まれることこそが重要なんだ、自分一人の為以外に語られる詩など無い、傷を穿て、溢れ出した血を啜れ、だらしなく口元を染めながら、どんな理も要らない世界に足を踏み入れるんだ、大丈夫だ、俺が生きている限り、本当に書きたいものは待っていてくれる、俺は叫ぶ、それは悲鳴のようでもあり、絶叫のようでも
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