甘く無残な鼓動/ホロウ・シカエルボク
 
のはそれだけさ、人生、運命、宿命、使命、すべてを疑え、すべてに抗え、生身の肉体が感じるもの以外はすべて取るに足らないものだ、玉砕覚悟じゃない、玉砕するのさ、彩色されて浮き上がった血管はそのまま舞い上がり竜になる、バリバリと、バリバリとそいつが筋肉や骨から剥がれてゆくその時のサウンドは俺を常世へと導くだろう、俺は俺の世界の神だ、誰に文句を言う筋合いがある?余所見をしている暇はない、空っぽの空間はすべてを飲み込んでしまう、思考する速度だけが一瞬そいつを超えることが出来る、指先は自動書記のように動き続けて好き勝手綴り始める、俺はただ手を添えているだけさ、あとはディスプレイに打ち込まれていく文字だけが語り
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