甘く無残な鼓動/ホロウ・シカエルボク
 
出来るかい、叫びに思えたものは渦巻く風だった、四方八方、身を隠す場所もなく、弄られながら俺はいくつかの文節を叫ぶ、聞こえない詩、聞こえない言葉、そこには無限の意味があった、そんな種類の無意味が俺を生かし続けてきた、空っぽの空間では様々なものの反響がよく聞こえる、小さなスコップでそれを埋め尽くそうとしているのさ、一生を費やしても達成出来ない、そんな遊びだからこそ夢中になれる、それは固定されたものではない、すべては変化する、アメーバのように、スライムのようにね、確信など幻想に過ぎない、変化の過程と速度への執着、それが人生の正体さ、正気は狂気、正常なんてただの真直ぐな線だ、数値化出来ることになんてどんな
[次のページ]
戻る   Point(1)