青空とレモネード?/朧月夜
 
の病気――風邪だった。

 職場からは携帯電話に留守電が入っていたが、電話が鳴ったことにも僕は気づかなかった。ただ、死んだように眠っていた。翌日に目を覚ますと、一番に職場からの電話が入った。

「おい、どうした」

 と上司が言う。「やっとつながったよ……」と、背後の同僚に声をかけているのが耳に入った。

 上司は怒っているのではなさそうだった。僕が日ごろから無理を聞いてくれることを、彼も知っていたからだ。突然に連絡がつかなくなって、彼はごく普通に心配をしてくれていた。というより、「僕が死んでしまったのではないか」と、職場の全員で焦ったそうだ。そういうことを、僕は後で職場の同僚から
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