青空とレモネード?/朧月夜
僕はサンドイッチを口に運ぶ。君のアイスティーとルームメイトのホットコーヒーは、ほとんど減っていないようだった。2人とも話すことに夢中になっている。それはどこか恋する者同士の会話を思わせる。次から次へと話題が現れては消えていく。それに対して、君のルームメイトは的確に反応していく。2人の信頼関係を僕はうらやんだ。
「そう言えばさ、わたしたちアドレスの交換をしていなかったじゃない?」
「アドレスって、メールアドレスのこと?」
「そう」
「お互いに名前すら言わなかったもんね」
「今度個展に来てよ。だから連絡先を教えてほしいんだ」
「良いよ。でも、君の絵を買うお
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