青空とレモネード?/朧月夜
 
間、君はずっと無言だった。

 マルエツという書店に入ると、君はまっすぐに洋書が置かれている本棚へと向かっていった。そこには、海外から輸入された画集が並んでいる。国内版の画集では見ることが出来ない絵も、洋書であればある程度先んじて見ることが出来た。

 僕は、画家と言えばゴッホやルノアールの名前しか知らない。しかし、君はジャン=ピエール・カシニョールやベルナール・カトラン、レオノール・フジタといった名前を挙げていく。カシニョールくらいなら、どうにかその名前を聞いたことはあった。しかし、その他の名前は僕が初めて耳にするものばかりだった。

 その中でも、君はベルナール・カトランの絵がお気
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