陽の埋葬/田中宏輔
 
ん? ぼくだよ。ぼくだよ、お母さん……。」
  電話に出ると、母はすぐに切る。
 ぼくは、また電話をかける。
番号をかえてみる。

真夜中、夜になると
  ぼくは、死んだ母に電話をかける。
   「もしもし、お母さん? ぼくだよ。ぼくだよ、お母さん……。」
  きのうは、黙ったまま(だまった、まま)
 母は、電話を切らずにいてくれた。
ぼくは、その番号を憶えた。

鸚鵡が死んだ。
  父の鸚鵡が死んだ。
    ぼくは、もう鸚鵡の声を真似ることができない。
     「グゥエー、グググ、グ、グゥエー、グゥエー、エー。」
   と、ぼくは、
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