零/ただのみきや
え理解できなくても
熱やふるえが伝わって来る
薄皮一枚へだてたみたいに
こころの凹凸を感じるくらい
これは自分かと そして
自分のこころを相手のこころかと錯覚するほどの陶酔
コントラスト
幼稚園バッグをかけた女の子がふたり
母親につれられてやって来る
うっすら雪の積もった歩道の上を
踊っているのか何かのものまねか
ふたりそろっておどけた動き
双子ではなく年子だろうか
少しだけ背丈に差がある
どちらも淡い色のラックを着て長靴をはいている
ニット帽の形は違っていて
ひとりはまるくもうひとりは角のような耳のようなとんがりがある
わたしはこの
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