冬の詩人 2023/
丘 光平
初めておぼえたこどものように
泣きやまないまま
薄暗い空へ
渡ってゆくとりたちのしずけさ
一羽
また一羽 遠くはぐれて
ただ 星のように黙っていた
あなたは どこへもゆかない
あなたは なにも悲しまない
「冬の詩人 2」
わたしから
消えてしまわぬように 灯した夜が
風のなかで
あなたから
聞こえぬように 燃えてゆく
ちいさなものがたり
わたしから始めた
わたしから立ち止まった
わたしから降りつづけた
分
[
次のページ
]
戻る
編
削
Point
(3)