Time Was/ホロウ・シカエルボク
 
こえ、六人の営業職らしいサラリーマンが入ってきた、なるほど、固定客があるなら問題ない、というわけだ、コーヒーは特別美味くも不味くもなかった、でも俺は特別美味いコーヒーを探していたわけでもないのだ、

中央公園のベンチに腰を掛けて車道を帯のように連なる車を眺めていると、父親がこの世からおさらばした午前3時のことを思い出した、スクーターで病院に向けて走った路面電車が中心を陣取る不自由な主要道路は昼間の騒ぎが嘘のように静まり返っていて、車など数台しかすれ違わなかった、あれは確か月曜だったはずだ、怪我をして仕事を休んでいて、その日から復帰する予定だったから―ルアーを制作している会社だった、今はどこかに
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