くちからしたむ/あらい
 


  様子を窺うと正しい処から遠ざかって
  実体を無くしてから、かがやくとも腐すとも


山羊が小屋を超えるとき

苔の上に鴉が死ぬ


   残忍なのだ
   悪いと知ったら顔に似合わず
   ひととしてだれか、
   出来事として消えてしまわないだろうか


旅をしているなんて

暢気なこと雄弁におしゃべりしている

鴎は留まっている空とひかり、あるように

                 しろく こなごな
                 このいまを巣食い
                 その色沢をうずめ
             
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