君の新しい詩を/ホロウ・シカエルボク
 
ぼれ始めている、だけどそう、まだ何も困ることなんてないよ、昔よりもずっと、書くことも上手くなったしね…上手くなったっていうか―昔息巻いて書いていたようなことを、コーヒーを飲みながら書くことが出来るようになったとでも言うかな、ともかくそれは俺が凄くまともに歳を取っているということの証拠なんだ、ふと思い立って、薬品の瓶の破片を綺麗に拾い上げて、発掘調査の時にやるみたいに白い布の上に並べてみた、瓶の死体だって君ならそう言うだろう、手のひらをそれの上に翳して、彼らが話す言葉を聞いてみる、それは言語ではない、でも確かに何かが語られている…ねえ、なにが正しくてなにが間違っているかなんて、俺にはもうどうでもいい
[次のページ]
戻る   Point(1)