壊れた受話器に泣かないで/ホロウ・シカエルボク
 
そうになって初めてホームに戻るんだ、そんなルンバたちのほとんどは生身なんだぜ、なあ、随分と薄気味の悪い見世物だと思わないか?そいつらは自分がそういう存在であることに絶大なプライドを持ってる、何の為なんだ?役割の為に生きることがそんなに美しいのか…?まるで汚い声の学級委員だ、どんなに美しいことを言っても聞き取り辛い―共通概念に頼るのはプライベートフォルダが空っぽだからだ、そうだろ?俺のそれには連番がついてるぜ、ディスプレイの中で果てしなく並び続けているんだ、ねえ、わかるかい、人間の容量には限界なんかないんだぜ、果てしなくアップデートして、詰め込んで動かせるんだ、なのにどうして白けた顔して同じ電車にば
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