壊れた受話器に泣かないで/ホロウ・シカエルボク
 
り広げられる編隊飛行、距離感が出来上がることがパーフェクトなんだってさ、だけど戦争の無い時代じゃそんなもの、イベントで見せびらかすぐらいしか価値なんかないぜ、何かに乗り込むならそこには行き先が設定されていなければならない、それは日常的に利用する場所であってはいけない、それはただのルーティンだ、そうだろう?意思が無ければ目的なんて生まれっこないんだ、時々ハヤカワミステリを閉じて、大統領選の演説のようにぶちかましたくなる、ねえ、だけど、それは壊れた受話器を相手にする方がずっと楽なんだ、都市の狂騒はルンバの群れに見えるよ、プログラムに従って、ぶつからないように、センサーで感知して、溜め込んだ力が尽きそう
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