十月末、心の置き場を探す日々/山人
 
トロールすることができるのなら、人はもっと幸福になれるだろうと思うのだが、それはそれで味気ないかも知れない。
 昨日、朝から妻はどこかに出かけると言い、私は残って家業宅の部屋掃除をしたりしていた。カメムシの死骸処理をしなければならなかったし、自分にこれから起こりうる妄想を楽しんだりした。相手が私に良い仕事を振ってくるという設定をし、私がそれに答えるという芝居を行うことが禁断の楽しみでもあった。いうなれば、ヘッドハンティング的な設定で私はしばし楽しんだのである。それを妄想し、実際に架空の相手に対し言葉を発することで、厭な掃除仕事も苦ではなくなるのである。
 外は終日冷たい雨が降っていた。つまりは
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