美しい灰/ただのみきや
り落とさなければならない
だが現実を切り落とすことなんてできないから
視界から 頭の中から切り落とすことが必要だ
多くの人はサイコなポッケをしっかり持っていて
無意識下というほどでもなく
埋めた場所もわかっている程度
普段は忘れていて ないことにしていられる
そんな秘部に他人が触れると
痴漢のごとく扱われるのだが
わたしはわたしの恥部を美しいことばに置き換えた
自らの詩を撫すりながら
鳩のようにふっくらしたきみの胸の
羽根むしってむしって裸にして食べてしまいたい
いつだってそう思っている
ふるえる雨
雨に映る声 その中の血
燃える雨の指先が
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