真夜中、路地の終わりで/ホロウ・シカエルボク
 
いう顔をして蛇は一瞬こっちを見たが、今はそれどころじゃないんだとでもいう感じでまた同じように妙なリズムを奏でた、ヤツと目が合った時に俺は蛇の理由を知った、顎の下あたりになにかが詰まっているみたいで、飲み込むことも吐き出すことも出来ないようだ、俺はもう一度手を伸ばして、今度はもがいている蛇の首あたりを捕まえた、じっとしてな、と一声かけて首に詰まったものを触って確かめてみると、どうやらゴムボールか何かだった、突起物がないのなら飲み込める気がするけどな、と不思議に思いながら立ち上がり、頭を下にして蛇をぶら下げた、それから、指でなるべく苦しまないよう丁寧にボールを押し下げてやると、蛇も助けてくれることがわ
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