真夜中、路地の終わりで/ホロウ・シカエルボク
たころにはすっかり下火だったんだ、まあ、そんなことはどうでもよくて…俺がこんな真夜中に潰れたバーの並ぶ路地のどん詰まりでのたうち回る群青色の蛇を見ているのには理由があって―いやだけど、そもそも、群青色の蛇なんてこの世に存在するのかな?ヤマカガシっていうのは青いのも居るって聞いたけど、あれは文字通り山に居る蛇だしね…ああ、でも、もしかしてどこかで飼われていたやつが、人通りのほとんどないこの路地に、寝てる間に捨てられて憤っているのかもしれない、通報すれば保護してもらえるだろう、でもそれをするのはきっと、俺じゃないだろうけどね…俺は敢えてなにも構えずに手を伸ばして、暴れる蛇の腹に手を触れた、あっ?という
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