可惜夜/あらい
女の、元に
翼を蒔いたの。なら ノスタルジー。
口を、
つけたのは
紛れもなく まぐわってしまった
みな、
もう
パノラマ。
海岸線に膿んだ余興に芯を点し ヨルはささめきごと、
どうと転覆する 器に、ぬるく陽華美(ヒカビ)た緋雨が、あたる
地畝(チホ)のあいだは脱い跳ね粘り気がある、とろけるつきひも、かがやき
象牙で研いたカルカヤ。おやさしい、ハミングに絡み帰ってくる
ほらぼらと偽装した、ともたれの。心中を知っているかのように今に
耳鳴りを重ね、ほかでもないひとに打ち付けられた途を開かせ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)