雨垂れが聞こえ続ける限りは/ホロウ・シカエルボク
 
じゃないのか、クソみたいな自意識にこだわってさ…俺だって何も知らないまま十四才で終わっていたかもしれない、それは仕組みに気付く年齢なんだ、身に覚えあるだろ?(ああ、こういうものなんだ)って気付く年なんだよ、俺はあの瞬間思ったんだ、(こんなものを受け入れてたまるか)って、そんな決意のなれの果てがいまこうして言葉を並べているんだ、もしかしたら詩人なんて生きものは、一生掛けて雨を降らせ続けるのかもしれないな、わかるかい、それはただの雨音なんだ、でも、その傘の下で誰かが、そいつを言葉に変えてみようなんて考えたりするんだ、そう、書いてしまえばお終いだ、あとは時間という土の中に染み込んでいくだけだ、でもそいつ
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