雨垂れが聞こえ続ける限りは/ホロウ・シカエルボク
 
いつがたまにいびつな芽をもたげたりする、俺は立ち上がる、確かめる時だ、この雨音がどこから聞こえてくるのか…そんな現実には何の意味もない、だけどもしかしたら今夜歩くリズムが少しばかり変わるかもしれない、そしてこう思うんだ、この音が聞こえ続ける限りは…この音が聞こえ続ける限りはと―雨はもう止んでいた、ダイイング・メッセージのように夕焼けが空の端っこだけを赤く染めていた、家に帰るべきだ、そしてその後は本当に眠ることが出来るだろう。


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