大仰なビブラートで歌い上げたあとでほんの少し後ろめたい気持ちになる/ホロウ・シカエルボク
 
三日前の新聞を五時間も読み耽っていた、おかげで少し現実ってものを理解出来た気がしたよ、なんてね、文字だけで真実を拾ってる馬鹿どもの物真似さ、ツーブロックとかいう名前の馬鹿みたいな髪型の男が通り過ぎる時、見えるように足元に唾を吐いてやった、でもそいつは気付かなかったんだ、前髪の先が目に飛び込むのをしきりに気にしていたからね、通り過ぎてから靴の裏で掃除したのさ、そんな出来事以前よりももっと綺麗になるくらいにね、スニーカーはなにかブツブツ呟いていた、小さなやつは小さな声で囁くのが得意なんだ、時々すべてに飽きてしまったと感じることもあったけど、でもまだこうして息をし続けている、お前が今日の日付からぴったり
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