大仰なビブラートで歌い上げたあとでほんの少し後ろめたい気持ちになる/ホロウ・シカエルボク
り返している、モラリストは確信が無けりゃ一言だって喋ることはない、バランスの無い世界にはジャスト・チューニングは存在しない、その心理はジャンルを問うことはない、よくある手紙を一通ポストに投げ込んだくらいで魂なんか崩せるわけもない、いつだってあいつらは闘う真似ばかりさ、林檎の皮を綺麗に丸く剥けるやつを尊敬する、柔らかい歯磨きのチューブを作ったやつを尊敬する、ボトルタイプのウエットティッシュを作ったやつを尊敬する、それは視点の問題であり、視点とは感性だ、何をどんな風に描くかなんてたいした問題じゃない、結局のところ、眼前にあるものをどんな風にとらえているのか、大事なのは多分そこだけさ、ボートハウスで三日
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