メモ1/由比良 倖
 
。為すがままで、結局こんなものなんだと思っている。どんなに凄惨な描写が繰り返されても、スプラッタ映画で泣くことは無い。笑うだけだ。薄く笑うだけ。

 ときどき日本語が本当に鬱陶しくなる。嫌いだと思う。僕の頭の中に咲き乱れた日本語の花や植物を全部刈り取って、真っ白な平地に出来たら、どんなにすっきりするだろうと思う。英語や数の方がいいなと思う。べとべとしてなくて、清潔で、夢の中でまで僕をぐるぐる巻きにしたりしないからだ。もちろんそれは僕が英語に慣れていないからであって、イギリス人などは英語の底に悪感情の泥沼を感じて、もしかしたら西洋的な悪魔を感じたりして脅かされているのかもしれない。

 けれ
[次のページ]
戻る   Point(3)