出口がない/為作
みたいな顔のない人がやってきて何か話しはじめた。
「ここは単なるエンジニアの設計ミスで、もともと出口がなかったんだわ。だけどそれをわかって開店してしまったから、人は続々と言葉を持って入ってくる。ぞくぞく入ってくる。
どうするよ?
どうするんだよ?
あー、めんどくさい、もういいよ、表の注意書きに、
『ここには出口はありません、ちなみに出口がないことについて公言した人は、罰として今から言葉を没収し、目を潰します。』
と注意書きに書き足しとけと言ったんじゃ。
それを知った人達は出口を求めた。そして捕まった。言葉を封じられ、目を潰された。この刑のことをアク禁と呼ぶんじゃ。
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