陽の埋葬/田中宏輔
用される前に魂を抜かれるのだった。いや、魂の一部を抜かれると言ったほうがより正確であろう。術師たちによって、魂の一部分をエクトプラズムとして取り出されるのだった。術師たちは、術師たちそれぞれ独自の方法によって、人間の魂からエクトプラズムを取り出すのだが、その取り出され方によって、エクトプラズムの質と量が異なるのであった。ある程度の量をもった質のよいエクトプラズムは、ほぼそのまま、見目麗しいホムンクルスとして成形される。平均的なふつうのエクトプラズムは、別の日に、おそらくは、翌日か、翌々日にでも、この施術室のなかにはいない別の術師たちの手によって抽出され、さまざまな用途に合わせて加工されるのであった
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