陽の埋葬/田中宏輔
 
うだった。そのホムンクルスの足がかたまって動けなくなった。すると、突然、空中から、シャキーン、シャキーンという鋏の音がした。ホムンクルスたちが上空を見上げた。わずかな月の光を反射して、巨大な鋏が降りてきた。鋏はシャキーン、シャキーンという音とともに、陰茎の化け物どもとホムンクルスたちのそばにやってきた。三体のホムンクルスが背をかがめた。かがめ遅れた一体のホムンクルスの首が、一頭の陰茎の化け物の亀頭とともに、ジャキーンと切り落とされた。
 銅像が目を覚ます。右の腕、左の腕と順番にゆっくりと上げ、自分の足もとに目をやった。足が持ち上がり、銅像は歩きはじめた。青年は先に河川敷に出て、川を見下ろせる石の
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