(abuse)/由比良 倖
 


「えいぇんていぅのゎねゅひらくん・・・

せんせいのすてきなこえははんぷくし、それは<声紋>=かぜをきるおとのようでよくみるとぼくのすてきなみにくいひふの<いちぶ>なのでした。


部屋なんかいらないと、よく真森は言っていました。
「僕は僕だって思うだろ? 違うんだ。僕は延長さ」
そういって真森は現在と現在が現在であることの原罪に目を向ける。
「僕はいわば延長なんだ。それ以上は、うまくいえないなあ。延長試合から始まって、コールドゲームのない、いや、それも違う。まず第一に根拠がない。使われることのない、いや、なかった女王・・その器・・」

「たとえばそこに、まるで種から一瞬
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