(abuse)/由比良 倖
 
一瞬に噴出してあの形になったのだといわんばかりの激しい形態をした、まるで重力に逆らうことだけを夢みて散ったような、凄い形の木があるじゃんか」
といって真森は木をこつんと蹴った。
「僕はな、そうだな、ここに木があって、いや、それだけなんだけど、木がさ、夢みたり、散ったり、はなやんだり、するだろ。・・・。つまりそういうことなんだ。そういう形の、形態・・・」
そこで話はまたもとに戻ってしまった。


本を「ふぉん」と発音する少年がいて、そいつはエロ本を「エロフォン」ともちろんいうのだが、僕たちは彼の「エロフォン」が果たしてどのような形態のものであるかを発案するために、

あ、これは真森の
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