ブラッシュアップ症候群/ホロウ・シカエルボク
 
恥じることなんかないよ、お前はあの分厚いガラスにヒビを入れたんだもの…、すべてのものに対して結局は祈るしかない、祈りなど何処にもいかない、誰だってそんなことは分かっているのさ、喧騒の中でほんの一瞬の間まったくの静寂が訪れる時俺は果たしてそれを現実だと認識出来るだろうか?きっといつまでも覚えているんじゃないのか、連続するネガから切り取られた一枚のコマのように、ばらばらと散らばる、俺たちはいつだってばらばらとあちこちに散らばって蠢き続けている、頭上の駅には特急電車が滑り込んでくる、ああ、もしもあんな瞬間に自分がそこに居たならすべてを捨てて乗り込んでしまうかもしれない、でもそれは旅や移動機関の誘惑ではな
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