ブラッシュアップ症候群/ホロウ・シカエルボク
 
はない、それはちょっとしたタイミングのマジックみたいなものさ、誰だって知らず知らずそんなものに操られて踊っているんだ、自覚していないどころか記憶にすら残っていないかもしれないぜ、だってそれが衝動というものの正体じゃないか、昔映画で見た古い西部劇の一幕、四肢に縄を括りつけてそれを馬に引かせていたんだ、いや、別に俺は死を望んでいるわけではないんだが、もしも殺され方を選べるのであればあんなふうに死んでみたいとは思わないか…つまりさ、それが衝動というものの正体なんだ、どいつもこいつもいろいろな辻褄を合わせることに夢中になって衝動というものをないがしろにしすぎる、本当は衝動を抜きにしてはどんなことを語っても
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