ブラッシュアップ症候群/ホロウ・シカエルボク
 
び越えながら目的地を目指している、排気ガスが描く軌道はまるでブルーインパルスのお家芸のようさ、公園に佇む人々には何の意味もないみたいに見えた、植え込まれた木々よりも物言わぬものに見えたのさ、だけど俺はそいつらを片っ端から殺したりなんかしなかった、叩いても叩いても増え続けるものにムキになったところで報われはしないのさ、街灯の柱にしがみついていた最後の夏がアスファルトに落ちてしまった、六本の脚を上に向けたままカサカサに乾いてしまったそれを、もしも誰かの運命のように語れたら詩人だって大金持ちになれるだろう、市民会館の窓に最速で激突した雀がしかめっ面で死んでしまった、何も恥じることなんかないさ、なにも恥じ
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